2013年

いまさらですが、2013年をまとめておきます。
2013年は、環境が大きく変わり、初めての体験がたくさんできました。
まだまだ初めて経験することがたくさんあるのはありがたいことです。

3月。
西日本のメディア研究者・実践家の集団「MAGNET」がスタートしました。
といっても私は西日本エリアからはなれてしまいましたが。
MAGNETでは、3月(福山)と7月(安芸高田)と11月(山口大阪)のイベントに参加しました。
3月末に札幌に引越しました。部屋探しでかつてないトラブルが発生したものの、なんとか部屋が決まりました。
初めての北海道暮らしのスタートです。

6月。
サンフランシスコへ。WWDC 2013のチケットが運よくとれました!
行こうかどうか迷いましたが、チケットのキャンセル不可だったため、あとにひけずに(笑)行きました。
2度目のサンフランシスコでした。
関連記事:
WWDC 2013まで残り1ヶ月。「はじめてのWWDCガイド」2013年版日本語訳をどうぞ。
西海岸でZineを買う。 The Needles & Pens story

8月。
「SCU Access」リリース。2つめのiPhoneアプリです。

10月。
「DEVELOPMENTALオープントーク」を開催。初めてのトークイベント企画です。
『メディア技術史―デジタル社会の系譜と行方』が刊行されました。初めての共著書です。
関連記事:
『メディア技術史―デジタル社会の系譜と行方』

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その他、初めて自動車通勤を始めたり、初めての研究室サイト(lab.sugimototatsuo.com)を開設したりしました。
データビジュアライゼーションの翻訳記事の反響が大きく、600超ブクマ、900超いいねを記録しました。
関連記事:
データビジュアライゼーション・ツール20選

さて2013年、次の方々が亡くなられました。
私的な一覧ですが書きとめておきます。

アーロン・スワーツ 大島渚 柴田トヨ 嶋本昭三 十二世市川團十郎 飯野賢治
納谷悟朗 山口昌男 田中宥久子 マーガレット・サッチャー 三國連太郎
島森路子 牧伸二 中坊公平 なだいなだ 内海賢二 14代目酒井田柿右衛門
渡辺保史 金子勇 吉田昌郎 ウォルター・デ・マリア 富田倫生 藤圭子
山崎豊子 トム・クランシー 桜塚やっくん やなせたかし 天野祐吉
アーサー・ダントー ルー・リード 川上哲治 島倉千代子 堤清二 青山純
ネルソン・マンデラ ミハイル・カラシニコフ フレデリック・バック
宮田加久子 大瀧詠一

東京でUberを体験

先日、東京でソフトローンチした、iPhoneで呼べるリムジンサービスUber(ウーバー)を体験しました。Uberの初回無料プロモコード(上限5,000円)を使いました。

申し込んだら、黒塗りのトヨタクラウンがやってきました。乗車すると、某タクシー会社の車だなとわかりました。
「○○タクシーさんですか?」
と訊ねたところ、運転手さんがすごく動揺しています。Uberと業務提携しているけれど、社名は極力ださないように言われているんだそうです。

運転手さんによると、昼と夜、それぞれまだ10台しか走っていないとのこと。

Uberの利用はスマホで完結しています。配車中の車両の位置はリアルタイムで確認できます。料金は事前に登録したクレジットカードで引き落とされるので、車内での支払いは不要。

はじまったばかりのサービスなので、ちょっとした問題もありました。

配車待ち時間の表示が数分だったのに、道路混雑やピックアップ地点を間違われたこともあって、実際には倍以上の時間がかかりました。ドライバーさんが地点を勘違いされていたようで、かなり離れた場所に車が停車して、到着お知らせのテキストメッセージが届きました。ドライバーさんにメッセージしようか迷いましたが、しばらくすると気がつかれたようで、正しい場所に来てくれました。

また、事前に表示された予想料金は、2〜3,000円台だったのに、実際にかかった料金は5,000円超でした。

待ち時間と料金の予測精度が高まると安心ですね。

東京のUber、いまのところどんなときに使うのがよいのかまだわかりません。東京ではタクシーは十分走っているので、Uber独自の差別化がされていくのだとおもいます。

追記:
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「Uber プロモーション」でTwitter検索すると、初回割引なども見つかります。

ちょっとあぶないエクスプロラトリアム

サンフランシスコには人気博物館「エクスプロラトリアム」(the Exploratorium)があります。

エクスプロラトリアムは科学博物館ですが、展示は見るだけではなく体験型のものがほとんどです。展示物にはアーティストの作品も数多くあります。サイエンスとアートの融合に関心のある方におすすめします。

エクスプロラトリアムは2013年4月にピア15に移転し、ミュニメトロ(トラム)のFラインで簡単にアクセスできるようになりました。展示空間は広大で、すみずみまで体験したら1日では回りきれないほどです。

pier15

エクスプロラトリアムの運営方針には感心させられます。展示はこども向けにデザインされていますが、つかいかたによっては刺激が強すぎたりケガをしそうものなど危険を感じるものも少なくありません。しかしそうした展示物を監視する大人スタッフはまったくいません。

また、展示空間にはいくつかデモンストレーションのカウンターがあります。わたしが訪れた日は、高校生くらいの年齢のボランティアスタッフが、牛の目玉を解剖して構造を説明していました。このデモ、こどもにとって衝撃が強いかもしれません。だからといって特に注意書きや警告などはありません。

これが日本の博物館だったら、おそらく監視スタッフを常駐させたり、注意書きや警告文を掲示したり、はたまた同意書をとられるかもしれませんね。万一の事故の可能性に備えて、できるだけ安全側に設計しなおすところでしょう。

でもエクスプロラトリアムは、そんなことしなくても何の事故も起きず「うまく回っている」ようにみえました。もちろん、危険そうに見える展示物も最終的な安全性はしっかり保たれて設計されているのだとおもいます。それだけでなく、まわりの来場者の親や大人たちが、こどもたちを見守っていることも大きいとおもいます。

これは危険性をどのように扱うかについての文化の違いなのかもしれません。危険性を限りなくゼロにしようとして運営のコストを引き上げるのか、来場者自身の責任で危険性をコントロールしようとするのか。そういえば、グランドキャニオンの崖に手すりはついていないと言っていた政治家がいましたっけ。

ともかくエクスプロラトリアムはおすすめです。週末は家族連れでとても混雑しますので、平日の訪問をおすすめします。レストランも併設されていますので、じっくりお楽しみください。

Exploratorium

西海岸でZineを買う。 The Needles & Pens story

WWDC 2013の合間をぬって、サンフランシスコのミッション地区(Mission District)にあるNeedles and Pensという小さなお店を訪ねました。Needles and Pensは、手作りの「ジン(Zine)」や服、アクセサリーを販売したり、展覧会を開催しているアートスペースです。

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ジンはミニコミや同人誌と同じ自費出版の小さなメディア。米国西海岸が発祥の地といわれていて、カウンターカルチャーやDIY精神にもルーツをもとめることができるかもしれません。デジタル時代に、しかもコンピュータ・テクノロジーの集積地である西海岸で、ジンというアナログ出版の文化が存続していることは興味深いですね。

店内には、たくさんのジンの作り手(Zinesters)が持ち込んだジンが並んでいました。ジンの内容は、詩や小説、批評、イラスト集など何でもあり。形態もコピーした紙をホチキス綴めしたものや、手作りの袋に入れたもの、しっかり製本したものまで多種多様です。どれも少部数限定出版ですから、ひとつひとつ手描きでナンバリングされた冊子も少なくありません。

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おだやかな店主におすすめのジンを訊ねたところ、彼女は棚のすみからすみまで多くのジンを紹介してくれました。これらのジンは見た目ほど安くなかったので、とてもすべてを買えそうにありません。そこで、凝った装丁のものや日本語が載っていたジンをいくつかチョイスし、Squareレジで決済しました。

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Needles and Pensは、2003年に生まれて今年で10年になるそうです。
このとき購入した『The First 10 Years of Needles & Pens』から序文を紹介します。

Needles & Pensの物語は、2002年サンフランシスコのドットコム不況の廃墟の中からはじまりました。沈んだ経済が賃貸市場に一瞬のチャンスをもたらし、私たちはすぐに場所を見つけることができました。その年の10月に、Breezy Culbertsonと私は、14番街485番地の鍵を手に入れました。ヘンなアーティストたちが夢見る、家主からスペースを借りることをやったのです。

大家さんは、私たちがこのスペースで何をやろうとしているかよりも家賃の支払いについて気にしながら、私たちに裏に住みながら店先ではやりたいことを何でもやっていいと全て許可してくれました。私たちは後に、この地が多くのボヘミアンやアーティストたちの豊かな歴史をもっていることを知りました。 1980年代、パンクロッカーがここに住み、1990年代、オノ・ヨーコとマーク・ゴンザレスの作品を展示するKiki Galleryがここにあり、そして私たちが借りる直前、この店先はレズビアンが所有し運営していたタトゥーショップだったのです。私たちがあずかり知らぬうちに、宇宙はこのオルタナティブな遺産を次に継承するものとしてNeedles & Pensを選びとり、私たちはそれを受け継いだのです。

Breezyと私は、私たちの関心事をすべて盛りこんだ店を開こうとおもいました。それは、ジン、手作りの服、アートギャラリーです。当時のサンフランシスコにはそうした場所がまったくなかったので、型破りなアイデアでした。 8ヵ月後の2003年6月、Needles and Pensは、アーティスティックな場所がほとんどない街の中にその扉を開きました。ミッション地区で草の根のアートシーンを提供する場所は、Adobe Books、Pond Gallery、Misson Records、Oh So Little Cafeしかなかったのです。私たちはほどなく、高すぎる家賃のためいなくなったり、より経済的に住みよい街に移転を余儀なくされたりしたクリエイティブな人たちが、自分の作品を紹介する場所に飢えていることに気がつきました。私たちはこの状況に応える術を思いつきませんでしたが、あっという間に14番街の静かな店頭が、ジンや手作り服を持ちこむ人たちが顔を出すクリエイティブなエネルギーに満ちたにぎやかな場所へと変化しました。この場所は、アートショー、朗読やパフォーマンスのために立ち寄るツーリングバンドやジン作家たちであふれました。人びとはいつでもすすんで作業し、アートショーを企画し、みなが参加しようとしました。このスペースに興奮があふれていたのは明らかでした。健康で活気に満ちたシーンを生みだす要素をもっていたのです。

10年後、現在16番街に位置するN&Pは、何百人もの新進アーティストと著名アーティストの作品を展示し、85回の展覧会を企画し、6冊の本を出版し、数えきれないほどの朗読、パフォーマンス、音楽イベントを開催しました。この大切な記念日にむけて、私たちはしばしクリエイティビティの時代を振り返ります。アーティスト、ミュージシャン、キュレーターによるエピソードや写真を通して、この本はアートスペースとそれを育てサポートするために周りに集まった人たちのグループを記録しています。この時代は、こうしたあたたかいクリエイティブなエネルギーとNeedles and Pensが運営するコミュニティからの関与とともにあり、これからも続くでしょう。

Needles and Pensのすばらしい最初の10年をつくってくれてありがとう。

Andrew Martin Scott & Breezy Culbertson
Needles & Pens 創立者
2013年5月

WWDC 2013まで残り1ヶ月。「はじめてのWWDCガイド」2013年版日本語訳をどうぞ。

あと1ヶ月で、WWDC 2013ですね。

今年は2分でチケットが売り切れたとか……でもラッキーにもチケットを手に入れた人のなかには、WWDC初参加者の方もたくさんいらっしゃるとおもいます。

そこで、iPhoneプログラマーJeff LamarcheさんのブログiPhone & Mac Developmentの 「はじめてのWWDCガイド」の日本語訳をつくりました。

へたな翻訳ですので、間違いがあればご指摘ください!

わたしは、5年前に行ったことがありますが、毎年様子が変わっていくみたいですね。

ちなみに日本語のWWDCガイドには、以下のようなものがあります。

WWDCのススメ(2010年)

WWDC参加の心構え(2010年)

WWDC初心者ガイド 2010年版 (2010年) なんと2010年版の日本語訳がありました。こっちのほうがシンプルでよいかも。

WWDC 参加方法 – 初めての海外旅行で行ってきたよ!(2011年)

WWDC参加者のためのSan Franciscoガイド: 事前準備編(2012年)

それでは、ちょっと長いですけど、どうぞ!

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