個人がドキュメンタリーをつくるとき、既存の映像素材を使いたいことがあります。
しかし、簡単で安価な素材入手の手段は限られています。
放送局のように、過去のストックから自由に引き出してくることはできません。
個人の、とくに非商業的な、ドキュメンタリー映像制作で、自身以外の映像を使うのは大きな壁があります。
さて、2009年1月13日から、中東カタールのニュース放送局のアルジャジーラが、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスで、いくつかの動画を公開しはじめています。
これらの動画は、クリエイティブ・コモンズのなかでも、もっとも「ゆるい」帰属ライセンスです。つまり、アルジャジーラのクレジット表示さえしておけば、わたしたちは動画を共有したり、字幕をつけたり、リミックスしたり、再利用することができます。
現在、西側メディアが取材できていない、紛争地帯・パレスチナ自治区ガザの模様が数十本あります。アルジャジーラは、海外他局からの映像使用料を大きな収益としているらしいので、すべての動画がクリエイティブ・コモンズにはならないでしょう。しかし、自局だけがつくりだせるコンテンツを効果的にひろげる、興味深い試みだと思います。
このような流れが他の事業者にもひろがれば、個人の映像制作者にとっても福音になりますね。
アルジャジーラがクリエイティブ・コモンズ情報庫を公開 (Joi Ito’s Web)
Al Jazeera Creative Commons Repository
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