自分で映画をつくってみたいと思ったことはありませんか。興味はあるけど、難しそうだし、お金がかかりそう──そんな声が聞こえてきそうです。いやいや、もっとお手軽に楽しく映画をつくって、みんなで観る方法があるんです。そんな方法をおしえてくれる本に出会いました。
Picture Box Inc
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その本は、先日買った、ミシェル・ゴンドリーのデビュー本です。思ったよりもコンパクトな本でした。たったの80ページで、しかもその半分は写真です。この本の存在は、TOKYOメディフェス2009の会場でお会いした、remo の甲斐さんから教えてもらいました。remoでは、すでにこの本をもとにワークショップを開いたそうです。
ミシェル・ゴンドリーは、フランス生まれで現在ニューヨーク在住の映像作家です。ビョークやケミカル・ブラザーズなどの PV で有名で、近年は映画『エターナル・サンシャイン』などの映画監督としても活動しています。
本のタイトルは、”You’ll like this film because you’re in it: The Be Kind Rewind protocol”。日本語にすれば、『君自身が出てるからこの映画をきっと気に入るよ──Be Kind Rewind 方式』といったところでしょうか。副題の「Be Kind Rewind」とは、ゴンドリーが監督した映画のタイトルのことをあらわしています。映画の舞台は、レンタルビデオショップ。レンタル用の VHS ビデオカセットに表示されている「巻き戻してご返却ください」というメッセージが、Be Kind Rewind なんですね。ちなみにこの映画、邦題は『僕らのミライへ逆回転』になっています。
Be Kind Rewind 方式とは、いったい何か。それは、ずばりこの映画を見ればわかります。さえないレンタルビデオショップで働く主人公たちは、ひょんなきっかけで、ハリウッド映画を自らカメラを回して出演して、リメイクすることになるのです。リメイクといっても、ハリウッドがつくるような豪華なリメイク映画ではありません。素人が、お金をかけずに、がらくたや段ボールをつかって映画をつくっていきます。そこで、このような手作り映画のスタイルが、Be Kind Rewind 方式というわけです。
この映画のなかでは、手作り映画のことを「Swede(スウェーデン製)」と呼びます。自分たちでリメイク映画をつくることは、すなわちスウェーデン製に仕立て上げることなので「Sweding」、作品は「Sweded」となります。YouTubeで、「Sweded」をキーワードに検索してみてください。たくさんの手作り映画が見つかります。なんと、この映画の予告篇の Sweded 版もあるんです。監督のゴンドリー自らが出演しています。両者を見比べることで、手作り映画の雰囲気がつかめると思います。
↓本物の予告編
↓Sweded 予告編
さて、ゴンドリーは、2008年2月から3月にかけての約1カ月間、ニューヨークのソーホーにあるギャラリー Deitch Projects で企画展をひらきました。彼は、ギャラリーのなかに、映画に登場したレンタルビデオショップを再現し、手作り映画制作をサポートするセットを組み立てました。そこで、一般の人びとにむけた映画づくりのワークショップをおこないました。ワークショップでは、もちろん手作り映画をつくります。たったの数時間で、合成なし、編集なし、CGなし、徹底的にアナログでつくっていきます。ビデオショップの棚にかざる VHS カセットのケースのジャケットも手で描きます。最後には、みんなで上映会を開きます。
Michel Gondry’s Be Kind Rewind at Deitch Projects, N.Y.
http://www.deitch.com/projects/sub.php?projId=231
いま映像制作のワークショップは、さまざまなところで行われています。しかし、このワークショップは、ミシェル・ゴンドリー自身が企画したというだけで注目に値します。なぜならゴンドリーは、商業的な映像業界のただなかに身を置いている活躍中の現役職業人だからです。多くのプロフェッショナルは、素人の表現については懐疑的な立場をとります。素人の映像は、画質もカメラもひどいものです。プロフェッショナルが見向きもしないのも無理はありません。彼らが素人に映像制作を教えると、プロの制作現場に準じたプロセスを重視しすぎるあまり、機材や演出技法にこだわってしまい、つくる楽しさがそがれてしまいがちです。
しかし彼は、そういった職業人とはまったくちがった態度で、クオリティだけで判断しない映画制作の楽しみを、人びとに提案しているのです。このようなまなざしを持って実践している映像のプロフェッショナルは、なかなかいないのではないでしょうか。
ただ、うがった見方をすれば、このプロジェクトは、映画のプロモーションのようにみえなくもありません。しかしゴンドリーは、このプロジェクトをギャラリーのなかだけで終わらせるつもりはなさそうです。そうでなければ、ワークショップの手引きまでつけて、この本を出すはずがありません。
最後に、彼はこう書いています。
この本の最後に、今回の方式の改訂版を掲載しました。自分自身のタウンムービーをつくりはじめるために、だれでもこれをコピーして使ってかまいません。この本は、みんなにこの経験をしてもらうように働きかける、それなりのレシピになっていると思います。できあがった映画は、Web にアップして終わりにしてほしくありません。作品は、テープにしろ DVD にしろ、物理的なデバイスに残しておいてください。これから書く手順にしたがえば、どんな会社にも自分たちの取り組みを後援させてはいけません。会社のお金なんて必要ありません。その代わりに、私の事務所に手紙を書けばいいんです。必要なのは、実施場所(プライベートかそうでないか)と、参加者と持っていればメールアドレスのリストだけです。引き換えに、私たちは、あなたの作品撮影のためのデジタルビデオカメラを無料で送ります。連絡を取り合いましょう。将来、世界中あらゆるところでたくさんのグループが自分たちの映画を作ったら、WWW ではなく昔ながらの郵便で、お互いの作品を交換しあって、あらゆる検閲をかいくぐるネットワークをつくれるかもしれません。
グッド・ラック。
そう、どうやら彼はかなり本気のようです。
最後にごめんなさい。実はまだ、私は、ちゃんとこの本の全部を読んだり、映画を観てないのです。でも放っておくと何も書かずに終わりそうなので、ブログに書きとめておくことにしました。
Be Kind Rewind
http://newline.com/properties/bekindrewind.html
僕らのミライへ逆回転
http://www.gyakukaiten.jp/
Michel Gondry
http://www.michelgondry.com/
なるほど。「僕らのミライへ逆回転」が、その本の形だったのですね。
僕はこの映画を見ましたが、率直な感想は「ゴンドリーは本当に映画が好きなのだなぁ」でした。親近感が生まれる映画です。
映画の冒頭は、ヘタしたらスクリーンにトイレットペーパー、空き缶、雑誌などが投げ込まれそうな酷さですが、その「手作り感」が一つのワナです。(あとは映画を実際にご覧ください)
データでは無く、DVDやVHSなどに残してくれ、というのも同感で、音楽も一緒で音楽作ってデータでやりとりして、っていうのはどこに本質があるのかワケわからなくなり、作品を作品として仕上げてあげるためには何かの形にしてあげるのが制作者の最後の義務だと思っています。ゴンドリーの意図とは少しズレますが。
いずれにしても読みたくなりました。Micheal Gondry2 DVDと一緒に購入しようかと思います。
面白い情報、ありがとうございます。
#mixiのつぶやきって頻繁にチェックしないと読みこぼしてしまうね。
なるほど。「僕らのミライへ逆回転」が、その本の形だったのですね。
僕はこの映画を見ましたが、率直な感想は「ゴンドリーは本当に映画が好きなのだなぁ」でした。親近感が生まれる映画です。
映画の冒頭は、ヘタしたらスクリーンにトイレットペーパー、空き缶、雑誌などが投げ込まれそうな酷さですが、その「手作り感」が一つのワナです。(あとは映画を実際にご覧ください)
データでは無く、DVDやVHSなどに残してくれ、というのも同感で、音楽も一緒で音楽作ってデータでやりとりして、っていうのはどこに本質があるのかワケわからなくなり、作品を作品として仕上げてあげるためには何かの形にしてあげるのが制作者の最後の義務だと思っています。ゴンドリーの意図とは少しズレますが。
いずれにしても読みたくなりました。Micheal Gondry2 DVDと一緒に購入しようかと思います。
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なるほど。「僕らのミライへ逆回転」が、その本の形だったのですね。
僕はこの映画を見ましたが、率直な感想は「ゴンドリーは本当に映画が好きなのだなぁ」でした。親近感が生まれる映画です。
映画の冒頭は、ヘタしたらスクリーンにトイレットペーパー、空き缶、雑誌などが投げ込まれそうな酷さですが、その「手作り感」が一つのワナです。(あとは映画を実際にご覧ください)
データでは無く、DVDやVHSなどに残してくれ、というのも同感で、音楽も一緒で音楽作ってデータでやりとりして、っていうのはどこに本質があるのかワケわからなくなり、作品を作品として仕上げてあげるためには何かの形にしてあげるのが制作者の最後の義務だと思っています。ゴンドリーの意図とは少しズレますが。
いずれにしても読みたくなりました。Micheal Gondry2 DVDと一緒に購入しようかと思います。
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お久しぶり!そして初の書き込みになりますが
ミシェルゴンドリー好きなんですよ実は。
こんな本が出てるとは知らなかったです。
「僕らのミライへ逆回転」はホントにいろんなことを
思い出させられる映画でした。
大学生の時分、お金もなく、カメラもろくなのがなく
でも足るのがとてつもなく楽しく
寝てないのも気にならなかったコロのことを
震えがくるほど思い出しましたよ。w
作ることは楽しいというのは一番大事な事なのに
教えるがわに回ったりするとすっかり忘れてしまいます。
大事にしたいなと改めて思いました。
この本読んでみます。
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でも足るのがとてつもなく楽しく
寝てないのも気にならなかったコロのことを
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でも足るのがとてつもなく楽しく
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教えるがわに回ったりするとすっかり忘れてしまいます。
大事にしたいなと改めて思いました。
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