ただの思いつきである。
とある照明「A」がほしいとおもっていた。ヨーロッパのデザイナーのものだ。
さいきん別の照明「B」の情報をもらって、これもいいなとおもった。日本のデザイナーのものだ。
ここで、AではなくBを買ったら、わが家の「クリエイティブ自給率」が上がる、と考えてみる。
今日、多国籍に活躍する人も企業も多いのに、デザイナーの国籍を云々するなんて、時代錯誤のナショナリズムも甚だしいと非難する向きもあろう。
たださいきん、この国でクリエイティブで食べていける人はどうやったら増えるのだろうかとぼんやり考えることがある。
世界中にクリエイティブ従事者はいるけれど、それを生業にしている「隣人」が多ければ多いほど、生活が豊かになりそうだ。
たとえば、海外で製造された家具ではなく、隣町の職人が仕立てた家具を買う。
クリエイティブ自給率が上がれば、国内クリエイターの収入は上がる。
兼業作家が専業作家になれる。ますますよい創作物が作り出される。
消費する瞬間だけを切り取れば感覚的な選択にすぎないが、長期的には日常生活にはねかえってくるのではないだろうか。
資源が限られている国だからエネルギー自給率は低くてもやむをえない。
でもクリエイティブ自給率をみずから下げなくてもよいのではないか。
文化立国、クリエイティブ立国だと息巻いている人こそ、自給率向上に貢献してほしいものだ。
もちろん単純にクリエイティブ自給率が高ければいいとはおもわない。
価格、品質、デザインなど多くの要素が絡まっている。
答えは出ない。
けれども、こういう物差しを頭の中に入れておいてもいいかもしれない。